事業承継補助金(平成29年度補正)公募開始

平成29年度補正予算である「事業承継補助金(後継者承継支援型)」の募集要項が、先日正式にリリースされました。

【中小企業庁リンク】
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180427shoukei.htm

 

詳細については、リンク先の募集要項を確認してみてください。

今回は、ポイントだけさらりと記載してみます。

 

補助事業の目的

補助金事業については、募集要項に必ず「事業の目的」が明記されています。

読み飛ばしてしまいがちなのですが、この「事業の目的」に沿った形の申請書でないと、採択を得ることは難しいものです。

今回は、「経営者の交代を契機として経営革新等を行う事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助することにより、中小企業の世代交代を通じた我が国経済の活性化を図ることを目的とします。」とあります。

単なる事業承継ではなく、経営革新による経済活性化、特に後述する「地域経済の活性化」に資する取組であることが必要です。

 

補助対象者

中小企業・小規模事業者等、個人事業主、そして一定のNPO法人も含まれます。

NPO法人についてはすべてが対象となるわけではなく、「中小企業者と連携して事業を行うもの」など、中小企業・小規模事業者等の振興に資する事業を行う者であって、一定の要件を満たすもののみが対象となることに留意する必要があります。

中小企業及び小規模事業者等、個人事業主とは、中小企業基本法における「中小企業者」のことです。一般社団法人等は「会社」ではありませんので、対象とされないことになるでしょう。

詳しい要件については、募集要項を確認してみてください。

 

補助率等

補助対象経費の2分の1以内で、補助金額の範囲は100万円以上150万円以内が原則です。

ただし、「小規模企業者」及び「従業員数が小規模企業者と同じ規模の個人事業主」については、補助率が3分の2以内・補助金額の範囲も100万円以上200万円以内という形に拡充されます。

なお、事業転換による廃業登記費や在庫処分費等が発生する場合においては、一定の上乗せ措置があります。

 

「小規模企業者」とは、業種分類別に以下の者を指します。

製造業その他:従業員20人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業:従業員20人以下

商業・サービス業:従業員5人以下

 

なお、補助金は「後払い」であることに注意してください。申請書に記載した事業推進のための経費は、事業者側が先に持ち出す必要がありますので、場合によっては取引金融機関からの融資によって一時的に資金を賄う必要があります。

 

地域経済への貢献要件

この補助金に申し込むのは、事業を引き継がせる側ではなく、事業の引継ぎを受ける者(「承継者」といいます。)です。

そして、「地域経済に貢献している」ことが求められます。

 

地域経済への貢献とは、例示として以下のようなものが挙げられています。

 

・地域の雇用の維持、創出などにより地域経済に貢献している。

・所在する地域又は近隣地域からの仕入(域内仕入)が多い。

・地域の強み(技術、特産品、観光、スポーツ等)の活用に取り組んでいる。 

 

他にも例示があり、加点要素(補助金審査上プラスに働くもの)とも関係していますので、募集要項をよく確認してみてください。

 

認定支援機関の確認書

申請者が地域に貢献する中小企業者であることや、応募者の取組に独創性が認められること、事業計画の実行支援が行われることについて、「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」の記名・押印がある確認書が必要とされます。

認定支援機関は、信用金庫などの地域金融機関や税理士事務所等が取得していることが多いものです(当事務所も認定支援機関です)。

なお、先述の通り、補助金は「後払い」ですので、地域金融機関に資金調達を依頼する必要があるかもしれません。その際に、認定支援機関としての確認も、その地域金融機関に依頼してみるのもひとつの方法です。

 

補助事業期間

補助金の審査に通り、交付決定がなされてから、平成30(2018)年12月31日までの期間となります。

交付決定が7月に予定されていることから、実質的には今年の8月から12月までの5か月で補助対象事業を完了させなければならないので、非常にタイトといえます。

予算事業であり年度の制約を受けるとはいえ、事業承継に伴う経営革新事業としては、あまりに短すぎる期間であるというのが個人的な意見ですが、こればかりはしかたがありません。事前に入念な準備が必要になるでしょう。

 

応募締め切りと応募の際の留意点

既に公募は開始されており、応募の締め切りは平成30(2018)年6月8日(金)です。書面申請の場合は当日消印有効で、電子申請も可能です。

なお、応募の際には必ず指定の書式を使用してください。たまに独自様式の申請が可能かというご相談をお受けしますが、これは不可です。

また細かい点ですが、提出書類を印刷する際はA4片面印刷、ホチキスどめはしない、クリアファイルに入れるという基本的な点にも気をつけてください。これを守らないと、募集要項をきちんと読んでいないと判断されます。印刷は白黒が望ましいでしょう。

 

加点要素等

募集要項の21頁~22頁には、選考の際の主な着眼点や加点事由が記載されています。申請の際のポイントになりますので、ここはよく確認してください。

加点事由のうち、「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」のいずれかの適用を受けているかについては、会社の決算報告書における「個別注記表」の冒頭に記載があります。記載がない場合や個別注記表そのものが無い場合は、顧問税理士事務所に確認してみてください(個別注記表は計算書類として作成されるものと定められています)。なお、個人事業主については、この点は関係がありません。

 

補助金申請のありかた

順番が前後しますが、補助金申請のありかたについてです。

補助金が欲しいために後付けで事業計画を強引に立てる、というものは本末転倒です。先述の「事業の目的」にもあるとおり、事業承継を契機として経営革新等を行うことが第一であって、これに対して政策的な配慮から国が補助を行うというものであることに留意してください。

 

どこに相談するか

最も身近な相談相手は、顧問税理士事務所等や取引先金融機関(都市銀行よりは、信用金庫等の地域金融機関)でしょう。

ただし、相談先が補助金申請に慣れていない場合もあります。そのようなときには、中小企業庁が設置している公的な経営相談拠点である、「よろず支援拠点」の利用をお勧めします。

よろず支援拠点は、各都道府県に1拠点ずつ設置されています。

東京都の場合、新橋と東大和に拠点があります。何度相談をしても無料で、事業計画策定について経験豊富な中小企業診断士が相談に応じます。申請書それ自体は企業側で作成する必要がありますが、有益なブラッシュアップができますので、利用してみてください。

【東京都よろず支援拠点 リンク】
https://www.tokyo-yorozu.com/

 

 

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