税理士試験・社会人受験生の短期合格のために

先日、社会人の税理士試験受験生と食事をしました。

その方は、異業種で働いており、非常に厳しい時間的制約の中で受験生活を送っています。

 

昨年は見事に科目合格を果たしました。

そのまま努力を重ねて今年は2科目受験しましたが、今年の結果は努力が実らず、残念なものだったそうです。

 

その方が勉強に費やすことができる時間は、専念受験生の半分にも満たないかもしれません。

そのような状況の中で合格という結果を出すには、さらに工夫が必要だろう…その方とはそんな話をしました。

 

社会人受験生は、程度の差こそあれ、同じような悩みを抱えているのかもしれません。

前回の記事では、私が税理士試験受験時代に意識したことを書き綴りましたが、今回はもう少し具体的に、私自身が勉強方法として工夫したことを、皆さんへのアドバイスという形で書いてみます。

 

 

■到達点をイメージしよう
まずは、合格レベルにある自分自身をイメージしました。

それは、「専門学校のテキストはすべて学習済み、問題集は○回転終えていて、直前答練も○回転した。理論は○題暗記した。」と、具体的な到達点イメージです。

 

目標を具体的に設定することで、目標達成のための行動も具体化できるでしょう。

 

 

■到達点までの時間軸を意識しよう
到達点がイメージできたら、「いつまでに・どこまで到達しているか」というマイルストーンを意識しました。

 

基本的には、専門学校のカリキュラムに従って進んでいけばいいのですが、社会人受験生は進捗が少し遅れてしまいがちです。

そのような中でも、例えば「直前期前までには問題集をすべて終えておく」「年内にはAランク理論はすべておさえておく」「答練までには定期テストの解き直しを済ませておく」といった形で、マイルストーンを定めておけば、そんなに焦らなくてすみます。

がむしゃらに突き進むのも大事かもしれませんが、自分の現在位置を意識することも、目標達成のためには必要ではないでしょうか。

 

 

■基礎問題を繰り返そう
特に計算問題については、私は基礎問題を繰り返していました。

しかも、初見の問題はできるだけ時間をおかずに繰り返す。忘れる前に解く。
応用問題もたまには解きますが、一日ではじめて問題集を開いて問題を解く際には、まずは基礎問題からでした。

いきなり応用問題に触れてミスってしまうと、心が折れますから。

 

基礎問題を繰り返すことは、ベーシックな部分の実力を養う効果もさることながら、「自分はできる」という自信を持つことにも繋がりますので、モチベーション向上に役立つでしょう。

 

 

■理論は割り切りも大事
理論が重たい科目がありますよね。法人税法や所得税法がそれに該当するでしょう。

 

私は法人税法を受験しましたが、理論集のすべてを暗記することはしませんでした。

勉強時間が限られており、そのような中で1年間で合格するためには「割り切り」が必要と考えたためです。

ベタで暗記するべき理論は絞りました。

理論の中でも重要性が高い部分の、さらに根幹となる規定の部分です。

ここは、三段論法でいえば大前提にあたる部分ですから、しっかり記憶する必要があるでしょう。

 

その他の付随的な部分は「自分の言葉で書けるように」する程度にとどめました。

内容は正確に覚えますが、一字一句まで暗記する必要はないと考えたのです。

 

もちろん、すべてを丸暗記することが理想なのかもしれません。

が、私にはそんな頭脳はありませんでしたし、私が採った方法では本試験で的が外れてしまうリスクも当然に存在しますが、それは甘受するつもりでいました。

ただ、何の理由もなくヤマを張るわけではなく、自分なりの合理性をもって取捨選択をすることで、リスクを低減させることができるかもしれません。

 

 

■答練の結果は気にしない
直前期に入ると、専門学校が実施する全国模試などの答練があります。

この結果が芳しくないと、けっこう引きずりがちです。

 

でも、社会人受験生で受験初年度の場合、結果が悪くて当たり前です。
インプットもアウトプットも、まだまだトレーニング中なのですから。

 

私も、全国模試の成績はいつも良くなかったですね。

ただ、そこから1か月強の期間で徹底的に弱点を補強して、本試験では合格しています。

 

模試の結果が悪くても、必要以上に気に病む必要はありません。
ただ、その結果を次に活かせばよいだけです。

 

 

■本試験では試験委員と対話するつもりで
内閣府のサイトでは、情報公開・個人情報保護審査会の答申が公開されています。

興味深いことに、税理士試験に関しての答申も存在します。

 

 

これは、「第51回税理士試験財務諸表論の模範解答及び採点基準の分かる文書の不開示決定(不存在)に関する件」です。
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/015-h15/208.pdf

内容については長いので割愛しますが、その中に以下のような記述があります。

「採点は,答案を模範解答や採点基準の定めに形式的に照合して行うようなものではなく、その高度な知見に基づき試験委員が解答を導き出す思考過程を分析し、判断する知的作業であると考えられることから、問題作成者であり、同時に採点に当たる試験委員にとって各問に付与された配点のほかに模範解答や採点基準を定めた文書が常に必要であるとは認められない。」(内閣府 平成15年度答申208より引用)

 

個人的には「本当かいな」という感想ですが、ここで伝えたいのは、
本試験問題に向き合ったときには、試験委員が問うてる内容について、的を外さず、正鵠を射るような解答を意識する必要があるということです。

 

問題文の裏には試験委員の意図が隠されているはずです。

それを意識して、試験委員の問いかけに対して丁寧に対話をするような集中力をもって解答すれば、試験委員が採点時に「解答を導き出す思考過程を分析し」た場合にも、良い結果を得られるのではないでしょうか。

 

 

さて、年末ですね。
受験生の方は、まずはゆっくり休みましょう。家族や友人と過ごす時間も、とても大切なものです。

そして十分休んだら、また気持ちを切り替えて進んでいきましょう。

 

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