相続税・税額ゼロでも申告が必要?

今年の1月1日以後に開始する相続より、
相続税の基礎控除が減額になり、税率構造も変わりましたね。

 

相続税の計算をする際には、
正味の財産から基礎控除の額を差し引いて課税される遺産の総額を求めます。

そのため、基礎控除が減額されたことで、
「これまで課税されなかった層が新たに課税されるようになる」

…つまり課税ベースが拡大されたということは、すでに皆さんもご存じかもしれません。

 

 

■基礎控除は以前の6割に
以前の基礎控除は

5千万円+1千万円×法定相続人の数

だったものが、今回の改正後は

3千万円+6百万円×法定相続人の数

になりましたので、基礎控除が以前の6割になって、課税が強化されました。

 

 

■正味の財産が基礎控除を上回っても、相続税が発生しないケースがある
正味の財産>基礎控除額 の場合は必ず相続税が発生するかというと、そうでもありません。

相続税には、数々の特例が準備されています。

 

代表的なものが、
配偶者の税額軽減と、小規模宅地等の特例です。

 

配偶者の税額軽減は、
被相続人の配偶者が取得した正味の遺産額が、1億6千万円か配偶者の法定相続分のいずれか多い金額までは、配偶者に相続税はかからないというものです。
また、小規模宅地等の特例は、
例えば被相続人等の住居であれば、一定の要件を充たした場合に、その宅地等のうち330平方メートルまでの部分(※)については、相続税の課税価格計算上8割を減額するというものです。

居住用宅地の他に、事業用や貸付事業用宅地でも特例の対象になるものがあります。

※平成26年12月31日までに開始した相続については、240平方メートルです。

 

 

■「申告要件」にご注意を
ただ、これらの特例を利用した結果相続税がゼロになる場合には、注意が必要です。

それは、相続税の申告が必要であるということです。

申告した結果として無税になるので、「申告無税」と言ったりします。

 

提出する申告書に、特例を適用する旨の記載や必要書類の添付をする必要があり、これを行ってはじめて特例が適用できるというわけです。

 

余談ですが、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告期限までに遺産分割が終わっていることが条件になります。

ただ、申告期限までに遺産分割が終わっていない場合でも、3年以内に分割がされる見込みがある場合には、分割後にこれらの特例の適用ができます。

その際には、当初申告に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出する必要があります。

当初申告では、これらの特例の適用を受けることはできません。
しかし、当初申告時に前述の「分割見込書」を添付しておけば、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行って、特例による軽減を受けることができます。

 

 

■無料相談等を上手に利用しよう
相続は、皆さんの人生にとって何回も経験する局面ではありません。

そのため、相続に関しては、相続税だけではなく、円満な分割や遺言について等多くの疑問を抱えている方も少なくないかもしれません。

 

そんなときは、信頼できる実務家に相談してみることをおすすめします。
最近は、相続税に対する皆さんの意識も高まっていますので、各地で無料相談が行われています。
これを利用してみるのも、ひとつの方法です。

 

できれば、多様なネットワークを持ち、中立的な立場からアドバイスできる実務家に相談することが、まずは安心かもしれませんね。

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