日本政策金融公庫は、政府系の金融機関です。

一般の方には、あまり馴染みがないかもしれませんね。

この日本政策金融公庫では、創業・起業される方向けに「新創業融資制度」を設けています。

 

無担保・無保証

原則として無担保・無保証であるという点が特徴でしょう。

 

法人で融資を受ける場合、代表者個人が連帯保証することを求められることが一般的です。

 

ところが、この制度では代表者個人の連帯保証を求められることはありません。

つまり、万が一借入金の返済が滞っても、代表者個人には責任が及ばないということです。

(個人事業の場合は本人が借入をするので、最終的にそのは事業主個人が責任を負います。)

 

なお、あえて代表者が保証に入ることによって、金利を0.1%軽減することも可能です。

 

 

融資限度額

融資限度額は3,000万円です。

ただし、設備投資ではなく運転資金の場合は1,500万円になります。

 

一般的には、融資申込額が1,000万円を超えると、支店決裁から本店決裁になり、

審査が厳しくなるといわれます。

自己資金とのバランスを考えて、申込みを1,000万円以内にすることがよいのかもしれませんね。

 

 

自己資金要件

この制度では、原則として創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要とされます。

例えば、創業資金総額が1,000万円であれば、100万円の自己資金は準備するということです。

 

ただ、一定の要件のもとでは、この自己資金要件は撤廃されます。

 

その要件とは、例えば…

・創業前まで勤務していた企業と同じ業種を始める方で、通算(複数社でも)6年以上の経験がある

・中小企業の会計に関する指針または基本要領の適用を予定している

などといったものです。

 

ところで、この自己資金要件については、以前は創業資金総額の3分の1というものでした。

現在ではそれが大きく緩和されているわけです。

しかしながら、実務上はこの3分の1が一つの目安になっているようです。

 

また、自己資金が薄いなかで創業することはおすすめしません。

起業する際の自己資金の目安としては、やはり創業資金総額の3分の1を目安とすべきでしょう。

 

 

新創業融資制度の対象者

新たに事業を始める方か、事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象としています。

純粋な創業以外にも、創業して概ね2年以内の方であれば、この制度の対象になります。

 

 

勤務経験などが必要

自己資金要件のところでも触れましたが、勤務経験等が必要になります。

・創業前まで勤務していた企業と同じ業種を始める方で、通算(複数社でも)6年以上の経験がある

・雇用の創出を伴う事業を始める

などいくつかあり、いずれかに該当する必要があるというものです。

 

ただし、女性小口創業特例というものがあり、

女性が300万円以内の融資を受ける場合には、この勤務経験等は問われません

 

 

創業計画書

この制度を申し込む際には、創業計画書を作成する必要があります。

 

書式は、日本政策金融公庫のWEBサイトに掲載されています。

(リンク)日本政策金融公庫 創業計画書

 

ここでは、業種に応じた記載例も掲載されています。

 

ただ、この記載例は良くありません。

例えば「洋風居酒屋」の例を見てみます。記載例はこちら→創業計画書記載例(洋風居酒屋)

 

まず、「創業の動機」ですが、これが受け身の形でとても弱いです。

セールスポイントも不十分ではないでしょうか。もっと自店の特徴を訴求したいところです。

その他、どのような立地で、どのような顧客をターゲットとするか等の戦略も不明瞭です。

まずはビジネスモデルをブラッシュアップする必要があるでしょう。

 

 

創業融資を申し込む際のポイント

創業計画書をきちんと記載することは、とても大事です。

 

創業融資は、申込みされた件数のうち半数程度は謝絶される(融資を受けられない)ともいいます。

私は、創業融資を断られた方からのご相談を何件もお受けしましたが、創業計画書が不十分でした。

その原因は、やはりビジネスモデルがまだ詰め切れていなかったという点にも求められます。

 

ビジネスモデルをブラッシュアップするといっても、ご自身だけではなかなか難しいでしょう。

信頼できる専門家や、公的な相談窓口(よろず支援拠点や商工会議所など)を上手に利用して、

できるだけ客観的な意見を聞いてみることが必要ではないでしょうか。