ご存じですか?2つの「税控除」

 

 

新聞やネットのニュースを見ていると、たまに「税控除」という言葉を見かけます。

例えば、前回の記事で書いたふるさと納税に関していえば、

「ふるさと納税で税控除を受けることができます」

といった使い方です。

 

この「税控除」という表現ですが、「税額が一定額減少する効果」を指していると思われます。

その効果を得るためのプロセスは2つあることをご存じでしょうか。

これをご存じでないと、例えば「3万円の税控除」といった場合に、少しばかり勘違いをしてしまうかもしれません。

 

 

■2つの「税控除」
実は、税務の世界の人間は「税控除」という言葉を使いません。
(もし使っている方がいたら、すみません・・・)

 

「税控除」として「税額が一定額減少する効果」を得るための2つのプロセスとは、

「所得控除」と、「税額控除」をいいます。

 

 

■課税のベースを減額させる「所得控除」
まず「所得控除」ですが、これは「所得」から「控除」するものです。

所得について詳細な説明は避けますが、ここでは、税金を計算する際に税率を掛けるベースになるもの…課税のベースになるものと思ってください。

所得×税率=税額

ということですね。

「所得控除」は、この税率を掛ける前の「所得」から一定額を「控除」するものです。

 

 

■「所得控除」の例
個人の所得税では、以下のような所得控除が定められています。

ふるさと納税で登場した「寄附金控除」の他にも、
「基礎控除」や「配偶者控除」、「社会保険料控除」、「医療費控除」…
その他のものを合わせて、14種類の所得控除があります。

★国税庁タックスアンサー(所得税)「所得金額から差し引かれる金額(所得控除)」
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto320.htm

 

 

■税額から直接控除する「税額控除」
一方で「税額控除」ですが、これは文字通り「税額」から「控除」するものです。

所得×税率 で算出した税額から、ダイレクトに一定額を控除するものです。

 

 

■「税額控除」の例
先ほどと同じように、個人の所得税を例に挙げますと…

「住宅借入金等特別控除」…いわゆる住宅ローン控除が有名ですね。
その他にも、「配当控除」や「外国税額控除」などもあります。

 

そして、「寄附金特別控除」というものもあります。
「え?寄附金は所得控除で出てきたんじゃなかったっけ」と思われる方もいますよね…

 

そう、ややこしい話ですが、寄附金に係る「税控除」には、所得控除である「寄附金控除」と、税額控除である「寄附金特別控除」があるのです。

「寄附金特別控除」は、認定NPO法人に対する寄附金など、対象が限定されています。

★国税庁タックスアンサー(所得税)「税金から差し引かれる金額(税額控除)」
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto321.htm

 

 

■3万円の「税控除」とは
所得が10万円で、税率が30%とします。

ここで、「3万円の税控除を受ける」という表現があった場合、それが所得控除なのか税額控除なのかで、効果が異なってきます。

 

所得控除の場合は、
所得10万円から3万円を差し引いた7万円に30%の税率を乗じますので、税額は2万1千円になります。

 

税額控除の場合は、
まず所得10万円に税率30%を乗じて3万円という税額(控除前)を計算し、その金額から控除額の3万円をダイレクトに控除しますので、最終的な税額はゼロ円になります。

 

同じ「税控除」でも、その内容によって結果が大きく異なります。

新聞やニュースを読む際には、少し気にしてみても良いかもしれませんね。

 

 

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